よい年を!

2011年12月30日(金)
年の瀬に、しゃれた写真で締めくくろうと思っていたら、
適当なものがないうちにほんとに晦日になってしまいました。

よい歳をお迎えください。

いろいろな説があると思いますが、私は歳神さま、という古来の農村のイメージが好きです。


正月はもともと歳神を迎えて祀るための行事。〆飾りや鏡餅なども歳を迎えるためのもので、玄関や門柱に立てる門松も歳神様を招くための依代だそう。歳神は、大晦日の夜に各家庭を訪れ、一年間の健康幸福を授け、小正月に再び還っていく。
歳神様は、柳田国男によると農耕を司る「田の神」であるとする説や、先祖の霊であるとする説、またそれらを統合したものだなど、地域や研究者により捉え方は違うのでしょうが、私は やはり一年を単に時間が物理的に経過したというより、素直に「年を越す」という感覚が好きですね。


ということで、いまから遅まきながら掃除に邁進して(!・・実はまだじたばたしてます)少しでも清々しい新年を迎えられますように。


そしてもちろん、みなさま良い歳をお迎えになられますように。

歌声は魂を安らげる

2011年12月23日(金)
あっという間にクリスマスキャロル、Brillanteさん。今年で3年目。
合唱っていいですね。クリスマス気分盛り上がります。
後ろは景教碑、キリシタン墓碑、石棺・・かつて生きていたすべての人の魂が、時のない世界で安らかでありますように。

今日は、たくさんの塾の生徒さんがたまたま見学の途中に聴いてくれたのと、朝一番で電話で「クリスマスキャロル」のお問い合わせ頂いたのが嬉しかったです。


Brillanteさんと、聴きにきてくれたミュゼップのスタッフたち。学生さんの私服はおしゃれでかわいい。

電気ピアノはいつもA先生のご厚意で貸して貰ってます。今朝もよいしょと運んできました。

明日はクリスマスキャロル

2011年12月22日(木)
明日は朝11時〜、ロビーで無料コンサート「クリスマスキャロル」あります!
お誘い合わせの上、どうぞお越し下さい。
お待ちしています!。

シャネル

2011年12月20日(火)
ミュゼップで売ってる「シェルピンスキーのアクリルモデル」を作ってる大学院生のいる研究室の忘年会。
お声かけて頂いたので、嬉しくて仕事が終わって夜9時半頃に遅まきながら顔を出したら、せんせい?がデザートに、パイナップルを出してくれました。

「はい、シャネル」・・・っていいながら。
わははは!大笑い。

学生さんは多方面の情報がすごく新しくて、それに熱い志をもってるので、話していてとてもおもしろいです。シマノの自転車やベアリング、途切れないオイル、セラミックの孔、gFRP、機密保護の厳重な工場の話、とっくに終わってるとおもっていた石油化学の未来とか・・・しらないことを一杯聞いて話した刺激的な夜でした。

古本

2011年12月15日(木)
最近、お客様多し。企画展が二つ(埃及考古展とヴァザーリ展)あるからかしらん。
今日は特に少し年上の奥様が数人連れで多いな・・?と思っていて、昼に百万遍に出るとわかりました、今日15日は百万遍・知恩寺の手作り市。相変わらず、繁盛してるようで、ついでに足を伸ばしてうちの博物館にお越し頂いてます。ありがたや。

ヴァザーリ展の関連で、なかなか注文した書籍が入荷しないので、先に古本を入手しました。
「古本屋」は好きでぶらりと入ります。これこそ一期一会の出会い、は大げさだけど、ぱっと出合って「あ、ほしい」とばっと買う、すると、だいたい「当たり」が多いです。

京都書院はいい美術書を出版していたけれど、大分前になくなりました。ヴァザーリの本もここからよく出ています。懐かしいな、と思いながら本を並べてました。結構お得です。

クリスマスキャロルのお知らせ

昨年のクリスマスキャロルの様子
2011年12月14日(水)
こんばんは双子座流星群が見られるらしいけれど、続く睡眠不足につき、早々に寝る予定。
その前に「クリスマスキャロル」のお知らせです。

今年で3年連続になりました、12月23日(祝・金)、午前11時より約30分間のミニコンサートです。ロビーにて。コンサートは無料です。

出演はおなじみBrillante(ブリランテ)(混声四重唱ユニット)
かわいまき:ソプラノ
  大阪教育大学卒
  CD「まどさんからのおくりもの」、「くつろいで眠るためのうた」他
深川和美:ソプラノ、メゾソプラノ  
   京都市立芸術大学音楽学部声楽専修卒業。 フランス・パリへ留学後、
   '94年フランス音楽コンクールにおいて、フランス総領事賞受賞。
   '99年には神戸市文化奨励賞受賞。CD多数。
KENZO:テノール
   京都市立芸術大学音楽部卒業 ウィーン留学後帰国して活動   
内藤大:バリトン
   京都市立芸術大学音楽部卒業  
長島優子:ピアノ(電子ピアノ)
   同志社女子大学音楽科ピアノ専攻。’81年ドイツ音楽院留学後京都で活動

子どもさんももちろん歓迎。景教碑やキリシタン墓碑の前で、クリスマスの歌を歌います。
博物館には珍しいクリスマスの雰囲気を味わいにいらしてください。
主催はミュゼップです。

皆既月食

(c)花鳥
2011年12月10日(金)深夜
皆既月食。夜空がとても晴れてきれいで、どこからもはっきり見え、ご覧になった方も多いでしょうか。

インターネットで日本以外からもリアルタイムで「見てるよ」の声が飛び交いました。博物館の学生スタッフ達から、「鴨川の三角州からみんなで見てます!」のメール。流れ星を見た学生もいて、「双子座流星群」がもうすぐピークを迎えるので、月食で暗くなったので見られたようです。いいことあるかな。こういう時こそ、天文台で見たかったも。

でも、自宅の庭、月明かりのくっきりした影がだんだん頼りなくなって、闇が訪れるさまを身体で感じていた2時間でした。首が痛くなりました。当たり前のことですが、月が真上に移動したからですね。
自分で撮った写真はブレブレで「月炎上」のようになったので、友人がデジカメで撮った写真です。うわぁ、とてもきれい。
メールやネットやカメラ・・実に手軽ですごい技術を身近に手に入れたものですねぇ、人類は。

イタリアルネサンス・シンポジウム

2011年12月10日(土)
今日は特別展の一つの企画「ヴァザーリとイタリアルネサンスの芸術」のシンポジウム。100人以上がぎっしり!。

イタリアの建築や図版を画像で見ながらの、ヴァザーリについての多角的なお話。
空中回廊の中のたくさんの写真を見ると、なんども廊下が階段であがったり下がったり、かなりの勾配があるのに驚きました。
ヴァザーリという人は、元々「画家」であり、「美術家列伝」という大著の「作家」であり、ウフィツィをはじめさまざまな建物を建てた「建築家」という三つの顔の人です。単一建物の設計だけではなく、「都市計画」や「ランドスケープ」を構想した建築家だった。造園には「思想」を込めていて、途中で頓挫したある公園の設計図を見ると、京都の木火土金水の五行思想に従った街作りと大変似通ってるように思えます。

このころ仕えたメディチ家の「コジモ一世」自身も、細かい都市や建築についてのリクエストをしたといいますから、もしかしてメディチ家の治世というのは、単に大権力をもっていただけでなく頭脳明晰で先々を読み人望があり、芸術や正義や法律など本当に才能を兼ね備えたリーダーだったのではないかと、目から鱗の思いでした。

また古代建築〜ゴチック〜ルネサンスの流れの中で、初めて「修復」という考えが出てきたこと。とってもおもしろいお話でした。

ところで、久しぶりにこの大講義室に入って、突然ずっと昔にここで講演会を聞いたのがフラッシュバックのように思い出されました。中世のお話で・・えーと、ザンクトガレン修道院?、樺山紘一先生だったかしらん。・・わお!その時は、のちにここで仕事をするとは夢にも思いませんでしたね。
人生の「不思議」についても考えなければ。

ウフィツィ

2011年12月9日(金)
このえ〜え感じの街の模型、これがヴァザーリが約450年前に作ったウフィツィ(メディチ家の公館)の模型です。

すごく不思議な建物です。ながーい、棟。もし中庭に迷い込んだら、ずーーーっといって突き当たりになってしまう。どのオフィスも全く同じ、すべて平等な造りになっている。当時としては画期的な思想のもとに作ったようですね。詳しくはぜひ展示をご覧になって下さい。今の私たちから見ると このずらっと並ぶ部屋は機能的なようでいて、端から端まで歩くのに大変で機能的でないような・・。

ともあれ、模型はとても良く作ってあります。
磯崎新氏の設計のゲートも、おかげで上から前から、よくわかります。

それにしても、ずっと「どうしてこの街の家の角が直角でないのか」が頭から離れない日々です。
だって、部屋の中にいても、タンスやベッドがきっちり隅に入らないから落ち着かないのでは?また、屋根の勾配もいろいろかわって、重量が片寄ったりするのでは?家が崩れやすいのでは?と、疑問ばかり。
どなたか教えて下さい。

建築家ジョルジョ・ヴァザーリ

2011年12月7日(水)
今日から、新しい企画展、「ジョルジョ・ヴァザーリのウフィッツィ:建築とその表現」展が始まりました。
わが後輩、哲学(美学)を勉強したのですが「あれ〜っ、ウフィッツィって、あのヴァザーリの設計なんだ〜!」。「あのヴァザーリ」というのは、イタリア美術史研究の方が有名だから。

ウフィッツィって、英語でいうとオフィス。あっそうか!。瞬時にとてもよくわかりやすくなりました。
とてつもなくなが〜い建物、そして川を挟んだ空中回廊。テレビでやってましたが、その模型もあります。上から見ると、直角じゃない家がごしゃごしゃとあるのが、すごく面白い。
日本の中世にはないですね。こういう家の建て方。

ほとんどは写真資料ですが、大学院生のみなさんの説明がすばらしい。
中でも一番「京大博物館らしいな」と思うのは、ヴァザーリに傾倒したり、影響を受けた人の資料が京大にあること。それがこのガラスケースの中です。
和辻哲郎や須田國太郎や・・意外です!

ヴァザーリ君を描いた大学院生のMさんとは、「ヴァザーリグッズを作りましょう!」と速攻お約束!。楽しみが出来ました。ご期待下さいね。

また、美術修復専門の別の大学院生の人、「修復は思想なんです」と岡田先生。
直感的に、とても納得しました。もっと聞きたいです、この話。

博物館って不思議なところですね。

重森三玲庭園美術館

2011年12月3日(土)
京大の正門から歩いて3-4分の所に「重森三玲庭園美術館」があります。
http://www.est.hi-ho.ne.jp/shigemori/association-jp.html
昭和の作庭家・庭園研究者であり、紅葉の東福寺や、松尾大社などの庭園を造った故・重森三玲氏の旧自宅です。生前は石の造形作家イサム・ノグチの信を受け、小林秀雄とも交友があったそうです。
知人をここに案内しました。なんどか訪れていますが、いつも新鮮な驚きを感じます。

元々は吉田神社の社家だったのを、茶室をはじめ三玲流の自宅に改築。
しかし、決してつぎはぎの改築はせず、どこからどこは新しく建てたとわかるような改築をされたそう。巨大な石を中心とする、モダンな枯山水の庭、襖や引手・釘隠、障子の桟にいたるまで全部自分でデザインした大胆な建具。

ちょうど東京では、12月4日から、現代アートで有名なワタリウム美術館で重森三玲氏の庭の展覧会が始まりました。


早速東京の展覧会にも行ってきましたが、若い方がたくさん訪れていて、驚きました。「茶室」とか「枯山水」とか、年配の趣味と思ったら、若い人に人気なんですね。
http://www.watarium.co.jp/museumcontents.html

さて。。。京大博物館の夏の体験EXPO(子どもワークショップ)に来られている方なら、「あれ?重森三玲ってどこかで似た名前を聞いたような?」と首をかしげる方、記憶力すばらしいです!
2009年夏に「古典どっぷり・語りであそぼう」の平家物語を三味線と語りで教えて下さった講師・重森三果さんは、重森三玲さんの直系の縁の方です。

ほら、京大の近くには、とても奥の深い小さな発見がたくさん!

インクルーシブデザインシンポジウム

2011年12月3日(土)
インクルーシブデザインシンポジウムが時計台ホールでありました。
写真は、最後に発表者全員が壇上で感想述べておられるシーンです。
テーブルもなく、マイクも順繰りで、シンプルでよろしい。
真ん中は塩瀬准教授。

建築家や、たんぽぽの家など、各方面で障碍者とともにはたらいている人たちの実践報告。
若手が多く、こだわらない行動力に感心しました。
こういう「好奇心」からスタートする活動も、悲壮感や囲い込み感がなくて、いいな。
これは外野からの感想でしたが。

ハンドブックとワークショップブックが売り切れたので、会場でたんぽぽの家のMさんを捕まえて追加を頼みました。こっちはよく売れるんですよね、埃及考古の図録もばんばん売れて欲しい(笑)

先輩

2011年12月3日(土)
先週のことですが、先輩のS氏来訪。
京大山岳部で、故今西錦司氏と一緒に当時、あちこち探検に行かれたし、その後M新聞の新聞記者をされていて、南極に数ヶ月も行って、そうそう、去年まで地球研の教授もされて・・・私の知る限りでも数え切れないほど。

今は、ちょっと姿が見えないと、地球めぐり(しかも半端じゃない地球半周とか)の旅に出ておられてます。かとおもえば、能や文楽が大好きで・・・とんでもなくいろんなことされてる方ですね。
博物館の開館にも尽力されていて、時々ミュゼップに立ち寄られます。
この時は「こんな研究協力者証を貰ったよ」、と見せてくださいました。
いつもとてもとてもにこにこ、楽しそうにおしゃべり、お会いするとうれくなる方です。ふふ。勝手に写真載せてしまいました。

今日(12/3)は時計台で、インクルーシブデザインのシンポジウムがあります。
http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/modules/event/content0201.html

「昔の仲間(たんぽぽの家の方)が来るから、旧交を温めるかな」と。
あっ、そんなところにも・・。ノンジャンルで交友が広い。
そう言う意味で、The Man of KYODAI、と言えるのでは。

輝く銀杏

2011年12月2日(金)
やっと木々が美しくなってきました。
構内の銀杏が輝く季節です。
後ろの煉瓦とよく似合います。

さて、インクルーシブデザイン展は明日まで。
埃及考古展は18日まで。

それから7日からウフィッツィ建築の展覧会が始まります。
古い洋館や大店を見るのが大好きな私には今からとっても楽しみです。