2011年8月27日(土)
目があったのに、ふんっ、という顔で向こう向いてしまった鹿。
はい、貫鹿(禄)で負け・・・
いや、鹿とお見合いにいったのではなくて、向こうに見えてる看板・「天竺へ」、奈良国立博物館の玄奘三蔵展、夜のある祝賀会の前に駆け込み見てきました。
玄奘三蔵(三蔵法師)が、インドに行って大乗の教えを会得し、お経を唐に持って帰り翻訳した偉業を称える日本でつくった絵巻物全巻の展示。
非常に色鮮やかで美しい(最初はレプリカかと思って紙自体をためつすがめつしてしまいました)の絵、それからすごく伸びやかで私の大好きな字が延々と。これは八巻の四くらいまで書いてましたね。字、間違わないんでしょうか。すごい集中力と大変な力です。
気がついたら八巻の四くらいから字がちょっとちいさく弱くなった感じで、「手」が変わったのかな?。なんて想像しながら見てました。
ただでさえ広い展示室をさらにWの字に二倍に区切っての全巻展示は迫力でした。
いちばん感動したのは、書写して、日本の薬師寺に届けられた(あれ、日本人が書写したんでしたっけ)般若経何百巻、ずらりと展示していたコーナー。
コトバは魂をはらむといいますが、このお経の山を見ただけで、必死な思いがわぁ〜っと迫ってきました。これは圧巻でしたね。いくつか広げてあった般若心経、ちょっとずつ違うように見えました。
元々、薬師寺に全六百巻あったそうですが、近代になって民間に流出したそう。このあたりは、相国寺の若冲の動植彩絵を宮内庁に差し出したことなど考えると、本当に当時の仏教の苦渋が想像に難くありません。
駆け足で見ましたが、見応え充分でした。
やっぱり現実の「量」というものは、存在感ありますね!
ところで、いうまでもなく、インドは仏教の本拠本元ですが、そこを目指す玄奘三蔵の執念、体力、精神力ってすごいですね。途中で弟子が脱落してく様がかいてありましたが、私は弟子に一票(笑)。同情してしまいます。
長安からの旅の地図を見て思い出したのが、「南瞻部洲萬國掌菓之圖」(なんせんぶしゅうばんこくしょうかのず)、ミュゼップに売ってる仏教世界の地図ですが、これを帰って見直しました。おもしろいもの売ってるなぁ(自画自賛(苦笑))
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