榎忠さんの鉄とタクト

2011年11月18日(金)
今日は神戸の話題。兵庫県立美術館で開催中の「榎忠展」で鉄の作家・榎忠さんと指揮者の佐渡裕さんの対談がありました。

とにかく強烈な個性の方、右端が「ローズさん」こと榎忠さんです。この恰好も昔大阪で展覧会をされた時に会場の一区画でテント屋台で「ローズの店」をつくり自らローズさんと称して自身を作品化。以来、時々ローズさんになって言いたいことを言う。

で、彼の本当の作品・鉄のアートといっても半端じゃありません。作品はものすごい大きさと重量なので美術館の搬入口から入らず、クレーンとか特殊な入れ方をしたと聞きました。
このトークの後ろも作品の一つ。全部、鉄です。
榎忠さん「もしこの膨大なパーツのちょっとした部分が折れて、だれかがくっつけたとしても僕は分かる。その人が『ここがいい』と思ってくっつけるくっつけ方と、僕が『ここにこうやってつけるのが一番いい』と思うつけ方が絶対違うんだ。」

で、佐渡さん、京都芸大出身。

佐渡さん「200年前の楽譜だけを手がかりに、先週は東京、今日はフランス、数日後にはドイツでという風に、それぞれ着いたら、たった3日のリハーサルで100人の別々の意志と力量の人のいるオーケストラで僕風のひとつの音を作りだすんですね。厳密に言うと、そんなことできっこない。
だから、最近の指揮者では『わかりやすい』『誰が見ても揃う』指揮法をする人もいる。確かにそうすると、わりとすぐきちんと演奏できるんです。でも僕はそれは違うと思う。摩擦があって、苦労して見づらくて合わないかもしれないけど、その中でものすごく努力して作り上げていく音、それを大事にしたい」

インクルーシブデザインって、こういうこと(考え方)かも・・・と思いましたよ。

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