イタリアルネサンス・シンポジウム

2011年12月10日(土)
今日は特別展の一つの企画「ヴァザーリとイタリアルネサンスの芸術」のシンポジウム。100人以上がぎっしり!。

イタリアの建築や図版を画像で見ながらの、ヴァザーリについての多角的なお話。
空中回廊の中のたくさんの写真を見ると、なんども廊下が階段であがったり下がったり、かなりの勾配があるのに驚きました。
ヴァザーリという人は、元々「画家」であり、「美術家列伝」という大著の「作家」であり、ウフィツィをはじめさまざまな建物を建てた「建築家」という三つの顔の人です。単一建物の設計だけではなく、「都市計画」や「ランドスケープ」を構想した建築家だった。造園には「思想」を込めていて、途中で頓挫したある公園の設計図を見ると、京都の木火土金水の五行思想に従った街作りと大変似通ってるように思えます。

このころ仕えたメディチ家の「コジモ一世」自身も、細かい都市や建築についてのリクエストをしたといいますから、もしかしてメディチ家の治世というのは、単に大権力をもっていただけでなく頭脳明晰で先々を読み人望があり、芸術や正義や法律など本当に才能を兼ね備えたリーダーだったのではないかと、目から鱗の思いでした。

また古代建築〜ゴチック〜ルネサンスの流れの中で、初めて「修復」という考えが出てきたこと。とってもおもしろいお話でした。

ところで、久しぶりにこの大講義室に入って、突然ずっと昔にここで講演会を聞いたのがフラッシュバックのように思い出されました。中世のお話で・・えーと、ザンクトガレン修道院?、樺山紘一先生だったかしらん。・・わお!その時は、のちにここで仕事をするとは夢にも思いませんでしたね。
人生の「不思議」についても考えなければ。

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